Language

製品情報

圧電素子製品群

材料の圧電特性について

圧電特性を表わす場合、形状や方向性などの一定条件を必要とし、これらの条件をベクトル量やテンソル量などの記号を用いて表わします。特性表の記号に付している上付き文字や下付き文字には、それぞれの意味がありますので概要を示します。

圧電特性概略

等価回路

圧電セラミックス素子は、その共振周波数付近で図のような等価回路で表わされます。

等価回路

この時の共振周波数付近のインピーダンスと位相特性は上図のようになります。
ここに\(C_d\)は振動子の誘電率と電極寸法から決まる容量で、振動子中を流れる電流成分を表わしています。\(L_1\)、\(C_1\) は振動子の振動モード、素子の寸法、弾性定数、圧電定数などによって決まる圧電的機械振動を表わしており、\(R_1\)は機械的振動損失を表わしています。

電気機械結合係数 \(k_p、k_t、k_{31}、k_{33}、k_{15}\)

電気機械結合係数\(k\)は、電気的と機械的との変換能力を表す係数で、【生じた機械的エネルギー】と【与えた電気的エネルギー】、逆に【生じた電気的エネルギー】と【与えた機械的エネルギー】の比の平方根で定義されます。
圧電効果の大きさを表わす量の一つです。共振周波数と反共振周波数から求める実用式を下記します。[計算に厳密解を要する場合は、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA) 規格 EM-4501A をご照会ください。]

電気機械結合係数

周波数定数 \(N_p、N_t、N_{31}、N_{33}、N_{15}\)

周波数定数は、対応する方向の長さとその一次共振周波数 \(f_r\) との積で定義され、寸法の決定や共振周波数を求める際に用います。振動モード別に次式で示されます。

周波数定数

誘電率 \({\varepsilon_{11}}^T、{\varepsilon_{33}}^T\) と静電容量 \(C^T\)

誘電率\(\varepsilon^T\)は、電界を与えたときに生ずる電気変位で定義され、共振周波数よりも十分に低い周波数での静電容量\(C^T\)から求め、圧電定数の解析などに用いられます。真空中の誘電率\(\varepsilon_0\)との比が比誘電率\(\varepsilon^T/\varepsilon_0\)となります。
これらの関係は次式のようになります。

\(C^T = \varepsilon^T\cdot\displaystyle\frac{A}{t}\)

材料特性表では比誘電率 \(\varepsilon^T/\varepsilon{_0}\)を記載していますので、次の式となります。

\(C^T = \displaystyle\frac{\varepsilon^T}{\varepsilon{_0}}\cdot\varepsilon{_0}\cdot\displaystyle\frac{A}{t}\)

\(A\):電極面積 [m2] \(t\):電極間距離 [m] \(\varepsilon{_0}\ = 8.854\times10^{-12}\) [F/m]

圧電定数 \(d_{31}、d_{33}、d_{15}、g_{31}、g_{33}、g_{15}\)

圧電定数は、電気機械結合係数と共に圧電効果の大きさを表わす定数の一つです。圧電定数には、圧電歪定数\(d\) 、電圧出力係数\(g\)と、圧電応力定数である\(e\) 、\(h\)の4つの定数があります。通常よく用いられるのは\(d\)定数と\(g\)定数の2つです。これらはそれぞれ次のように定義されます。

圧電定数

前式の定義のように、\(d\)定数からは印加電圧に対する変位量が、\(g\)定数からは加えた力に対する出力電圧の値がそれぞれ計算できます。
なお、\(e\)定数、\(h\)定数は、\(g\)定数、\(d\)定数とそれぞれ逆数関係にあります。

弾性定数 \({Y_{11}}^E、{s_{11}}^E、{Y_{33}}^E、{s_{33}}^E、{Y_{55}}^E、{s_{55}}^E\)

垂直応力とその方向の縦歪との比がヤング率\(Y\)です。特定の方向のみを対象にし、他の方向を考えなければ弾性スチフネス\(c\)としても取扱います。また、弾性コンプライアンス\(s\)はヤング率\(Y\)と逆数の関係となります。

\(Y = c = \displaystyle \frac{1}{s}\)

圧電セラミックスでは、共振周波数を決定する周波数定数\(N\)に直接関係するほか、発生力に関係する量にもなります。

ポアソン比 \(\sigma\)

ポアソン比\(\sigma\)は、垂直応力によって生ずる横ひずみ\(\alpha\)と縦ひずみ\(\beta\)の比で定義されます。

\(\sigma = \displaystyle \frac{\alpha}{\beta} = -\displaystyle \frac{{s_{12}}^E}{{s_{11}}^E}\)

ポアソン比は、共振周波数や寸法比の近い結合振動領域の共振に関係する量です。

誘電損失 \(\tan \delta\)

圧電体に角周波数\(\omega\)の正弦波交流電界\(E\)を印加すると、無損失の場合は電気変位\(\dot{D}\)が電界\(\dot{E}\)に対して\(\pi/2\)だけ進んだ位相で振動します。しかし、実際には電気変位\(\dot{D}\)が\(\delta\)だけ遅れ、その位相差分だけ損失が生じます。この損失は、誘電発熱変換されるなどの作用となります。その模式は図のように示されますが、図の等価回路中の\(C_d\)、\(R_1\)と\(\tan \delta\)の間には次式のような関係があります。

誘電損失

機械的\(Q\) \(Q_m\)

圧電体には、誘電損失と同じく弾性損失があるため、交流電界による応力に対して歪に\(\delta_m\)の位相差を生じます。

\(Q_m\)の大小は、共振周波数における機械的な振動の鋭さに作用します。

キュリー点 \(T_c\)

圧電体の誘電率\(\varepsilon\)は、温度\(T\)の上昇と共に\(∞\)へ増大し、その結果、結晶が不安定となりある温度\(\theta_0\)を境に急激に結晶系が変化します。この温度\(\theta_0\) がキュリー点で、分極を消失する臨界温度を表わしこの温度では圧電性を失います。高温域からの誘電率\(\varepsilon\)の変化は、次式に示す関係があります。

キュリー点

圧電セラミックス振動子のアドミタンス特性例

圧電セラミックス振動子のアドミタンス特性例

振動子の形状と振動モードの例

横効果振動子

縦効果振動子

各種振動子の基本共振周波数

各種振動子の基本共振周波数